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どんな着物を合わせるの?TPOごとの着物と帯をご紹介!

こんにちは。ブログ担当の大越です。

 

少し前の話になりますが、オリンピック終了後、ネットニュースに、外国の選手が帰国前の記念に、着物を羽織った写真がアップされていました。
それが、帯を結んでいるわけでもなく、ただただ羽織っているという写真。
そしてそして、私が何より驚いたのは、手が袖口からではく、振りから出ていたのです!
この写真はお店で撮られたものなのか・・・。だとすれば着方を教えてもらえたはず・・・。
撮影した方が外国の方であればそんな間違いにも気付かないのかな~。
せっかくのキレイな着物姿、とても残念でした。




職業柄、着物姿、着物の写真を見ると、衿は均等かなとか、おはしょりはきれいかなとか、細かい点が気になってしまいます。
そして、やはり着物姿は一際目立ちますので、知らないで着てしまうと恥ずかしく感じてしまうかもしれませんね。

 

 

そこで、今回、着物の常識、非常識をご紹介いたしますね!

 

 

 

 

 

 

まず始めに、前回、場にふさわしい着物・・・というお話をさせて頂きました。

 

着物には、
“フォーマルな着物”と“カジュアルな着物”に分けることができます。

“フォーマルな着物”とは、格が高く、結婚式やパーティーなどに呼ばれた際に着用する礼装用着物です。
既婚者の第一礼装、黒留袖。そして未婚者は振袖になります。



黒留袖とは、既婚者の礼装の中で最も格式が高い「第一礼装」と呼ばれる着物です。
慶事用として用いられ、結婚式や披露宴の際には親族の既婚女性や仲人夫人が着用します。
家紋の入れ方としては最高格の「染め抜き日向紋」で、背中・両胸・両後ろ袖に五つ紋を入れます。さらに「比翼仕立て」という仕立て方で、二枚の着物を重ねているように仕立てます。生地に用いられるのは地模様のない縮緬で、胸には柄がありません。裾にはおめでたい吉祥紋や古典柄などの模様が描かれます。
黒留袖で特に人気が高く有名な染め加工としては、加賀友禅や京友禅、東京友禅などがあります。
京友禅は、金彩や豪華な刺繍が施されているのが特徴です。加賀友禅は、色彩がやわらかい雰囲気の染めで、京友禅と大きく異なるのは金彩や刺繍は使用されず、染めだけで柄を表現しているという点です。
東京友禅は江戸友禅とも呼ばれ、江戸の文化や風土、自然を描いたデザインが多く、少ない色で粋が感じられるさっぱりとした味わいになっています。

 

 

 

 

 

 

振袖は、未婚女性の「第一礼装」です。


振袖の特徴は「振り」と呼ばれる長い袖の「袂」と、その袂の身頃側を縫い付けていない開口部の「振八つ口」、身頃の脇にある開口部の「身八つ口」が挙げられます。
また1枚の絵のように、縫い目の部分をまたいでも模様が繋がって描かれる「絵羽模様」という柄つけになっており、衿、胸、肩、袖などの上半身にも、腰、裾などの下半身にも豪華に模様が入るのも特徴です。
華やかで若々しい柄のものが多く、成人式や結婚式の花嫁衣装、またその参列者の衣装など、「晴れの舞台」と言われるようなシーンで着用される着物です。振袖は、未婚女性なら年齢にかかわらず誰でも着用することができ、袖の長さによって「大振袖」「中振袖」「小振袖」に分類分類されます。袖が長いほど着物としての格が高くなり、シーンに応じて着分けます。

 

成人前撮りで来店されたお嬢様。

お母様のお着物と2着お召しになりました!
印象の違ったお着物撮影は、記念に残りますね。

袖いっぱいの柄が入ったこちらのお着物に屋羽の帯を締め、豪華でモダンな印象になります。

 

お振袖らしい、真紅のお着物。
黒の豪華な袋帯に、黄緑の帯揚げと重ね衿、そして平組の帯締めが王道の組み合わせです。

 

 

 

 

その他に、色留袖、訪問着があります。

色留袖は、黒留袖とともに慶事に着用され、その明るい色調でお祝いの席を華やかに彩る礼装です。
かつては黒留袖と同じように既婚女性のみの正装とされていましたが、現在では未婚既婚を問わず着用できます。
色留袖は、紋の数によって格式が決まります。
紋が多いほど格が高くなり、五つ紋をつけた色留袖は、黒留袖と同格の第一礼装として、親族の結婚式や披露宴、叙勲の授賞式などにふさわしい装いとなります。三つ紋、一つ紋の色留袖は準礼装として、親戚の結婚披露宴やパーティーなどに気軽に着用できます。そのため、最近ではあえて三つ紋や一つ紋にすることも増えてきています。
色留袖にあわせる帯は袋帯で、重厚感のある金地、銀地の錦織や唐織、綴織のものが一般的です。
柄は主に格調の高い有職文様や正倉院文様、おめでたい吉祥文様が織り出されています。
小物は、五つ紋、三つ紋の色留袖の場合は黒留袖と同じように、白の帯揚げ、帯締めを合わせ、体の左側の帯に礼装用の扇子(末広)を差します。
草履やハンドバッグも金や銀が使われた礼装用のものを合わせます。一つ紋の色留袖を結婚式などに着るときは、白や金、銀の小物を多用することを意識しましょう。

 

 

 

訪問着は、フォーマル用として、また観劇やお茶席・お呼ばれの席など、様々なシーンで着ることのできる便利な着物です。
ミス・ミセスを問わずに着ることができ、日常着である「小紋(こもん)」のように小さな柄が全体に散らされているのではなく、絵柄が全体に一続きに入っているのが特徴です。
留袖は柄が裾側(帯より下)にしかありませんが、訪問着の場合は柄が襟(胸元)から裾まで入っているので、すぐに見分けることができるでしょう。
また、基本的には柄が縫い目をまたがない「付下げ(つけさげ)」とは異なり、訪問着の場合には袖から背中、襟から肩にかけてなど、全ての柄が縫い目をまたいで繋がっています。ただし「付け下げ」の中には柄行が非常に訪問着に近いものもあるため、すぐに見分けるのは難しいかもしれません。
未婚女性の礼装である振袖の長い袖を落とし、袖と身頃を縫い合わせて訪問着として仕立て直すこともできます。
訪問着は、着物の中でも非常に色柄のバラエティが富んでいるのも特徴。古典的な柄行の訪問着もあれば、パーティー用の個性的な柄もありますし、また紬の訪問着等も最近は人気です。フォーマルから同窓会等のパーティー等、幅広いシーンで訪問着を使うということであれば、素材が正絹で古典的な柄行のものを選ぶと良いでしょう。





こちら訪問着です。

明るいお色のお着物は、お祝い事にぴったり!
入学式には明るめの小物を合せるのが◎

 

 

 

 

お祝いごとには金糸の帯を。華やかになります。

 

 

 

 

こちら附け下げです。

螺鈿の入ったシンプルな着物に、華やかな帯が合います。

 

 

また、礼装用に色無地と呼ばれる着物があります。

白生地に黒以外の色で一色で染まった着物を指します。
一色で統一された色無地は、柄がなくシンプルな見た目であることが特徴です。


色無地は主に地紋がないタイプとあるタイプの2種類に分かれ、地紋があるものは礼装用として扱われることが多く、めでたい日の慶事用には吉祥文様、慶事、弔いどちらも使われるのは流水や有色文様が生地として使われています。
地紋がないタイプは礼装用ではなく、カジュアルな着物として扱われます。

 


色無地最大の特徴は、入れる紋の数によってカジュアル・フォーマル両方に対応できる点です。
フォーマルな場面では葬式やお通夜などに使え、カジュアルな場面では普段着やお洒落着としても使えるとても便利な着物。

使える用途が幅広いという、他の着物にはない要素があることが色無地の魅力となっています。
それに加え、色無地は付け下げや訪問着と比べても劣らない品格があることも、人気の理由の1つです。

色無地が使える場所は紋の数にもよりますが、主に結婚式やお子様の七五三、お茶会など準礼装として使われることが多いです。

 

こちらグレーの色無地になります。

グレーは、合わせる帯と小物によって、喪にも使用できるお着物になります。

 

紋入りがフォーマルなお着物になります。

 

 

 

 

これら“フォーマルな着物”には、袋帯を合せます!

袋帯はフォーマルな帯とされ、織り帯が一般的です。表地と裏地の2枚の生地を縫い合わせて袋状に仕立ててられています。
袋帯の前形は丸帯で、裏、表ともに、同じ生地で、通常の帯の倍の幅の帯地を、二つ折りにして片側を縫い合わせ仕立てたもので、高級品とされています。





 

 

 

いかがでしたか?

今回は、“フォーマルな着物”をご紹介いたしました。

次回、“カジュアルな着物”のお話をさせていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

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